若手従業員のメンタルヘルス不調に関して・・
厚生労働省は、「令和5年度過労死等の労災補償状況」「令和5年労働安全衛生調査(実態調査)」を公開しています。これらの調査結果によると、現在の仕事や職業生活に強い不安、悩み、ストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合は82.7%(令和4年調査82.2%)と、多くの社員・従業員が強いストレスを感じている実態が明らかとなりました。また、近年、20代社員のメンタルヘルス不調による休職・離職が増加傾向にあることが指摘されています。パーソル総合研究所は、この問題に着目し「若手従業員のメンタルヘルス不調についての定量調査」を実施し、その結果が今般公開されました。20代正規雇用者の約5人に1人が過去3年以内にメンタルヘルス不調を経験し、退職率は35.9%と他の年代より高い結果となっています。メンタルヘルス不調経験者のうち、職場に相談した割合は約50%にとどまっています。
メンタルヘルス不調の要因としては、仕事のプレッシャー・難しさなど仕事の負担感が強く、特に20代女性に顕著に現れました。若年層ほど否定的評価を避ける傾向があり、叱責によるストレスが高く、拒否回避志向が見受けられるようです。また、20代の約8割が将来のキャリアに不安を抱えているようです。管理職の負担感も大きく、管理職の23.0%が部下のメンタルヘルス不調対応を経験し、そのうち約50%が精神的負担を大きく感じ、40%が業務負担増加を実感しているようです。部下のメンタルヘルス不調の予兆が見抜けない、対応の仕方が分からないとの課題があるようです。労務管理上の注意点としては、メンタルヘルス不調の早期発見と対応が重要です。早期発見ができる環境整備が需要で相談しやすい職場風土の醸成(心理的安全性の向上)やメンタルヘルス不調の対応ガイドラインの明確化、上司・同僚との定期的な対話の機会を設けるなどの工夫が必要と感じました。
休職率も全体で20.8%であり、特に20代で高い傾向がみられます。年1回のストレスチェックは、2015年から従業員50人以上の事業所を対象に義務づけられています。働き手のストレス状態を調べる「ストレスチェック」がすべての企業に義務づけられる方向で検討されてきました。仕事が原因で心の病になる人が増えていることから、実施対象を従業員50人未満の小規模な企業にも広げて職場環境の改善を促す決定を政府は3月14日、こうした内容を盛り込んだ労働安全衛生法の改正案を閣議決定しました。今国会で改正法が成立すれば、公布から3年以内に施行される予定です。企業としては、メンタルヘルスに関する意識改革を進め、ストレスマネジメントやセルフケア研修の実施など従業員向けのサポートの充実を図るなどの対策の準備が必要です。
今回の調査から、それでなくても不足する若手従業員向けのサポートは必要です。今回の調査結果から30代以上と異なり、20代はテレワーク下の孤独感が高いようです。20代にはテレワーク環境下でのコミュニケーション強化としてオンライン朝礼・チームMTGの活用などが考えられます。テレワーク実施者の孤独感を減らすためにバーチャルオフィス導入するなども有効な対策です。取り組むべきポイントは、メンタルヘルス不調の早期発見と対応として相談しやすい環境整備。2点目が管理職の負担軽減とサポートとして研修強化・業務調整支援。3点目が研修など若手向けのキャリア支援・ストレスマネジメントの実施。最後にテレワーク環境の最適化としてコミュニケーション強化施策の実施。様々な施策を通じ、若手従業員のメンタルヘルスの向上と組織の健全な成長を実現することを目指します。