組織の未来をつくるコラム

企業における効果的な休憩の取り方と環境整備の提案

休憩時間は、従業員の肉体的・精神的な疲れを癒すために必要な時間です。そのため、このように労働時間に応じて適切な休憩を与えることが、企業の義務となっています。働き方改革や健康経営の推進が重要視される中、従業員の休憩の質が心身の健康や労働生産性に与える影響が注目されています。しかし、業務の効率化や職場文化などの影響で、十分(適切)な休憩が取れていないケースも多く見られます。休憩は従業員の心身の健康を守り、業務パフォーマンスを向上させる不可欠な要素です。株式会社パーソル総合研究所は、「はたらく人の休憩に関する定量調査」の結果を公表しました。調査は、正規雇用就業者を対象に、休憩の実態と課題を明らかにし、効果的な休憩の取り方を検討するための基礎資料になることを目的に実施したそうです。


正規雇用就業者の休憩の実態は、休憩時間は「46分~60分」の取得が最も多く(56.3%)、次いで「61分以上」(22.4%)という結果でした。また休憩時間以外に「小休憩」をしている人53.9%といることも明らかになりました。月曜に最も長い45分以上の休憩時間(78.5%)を取得し、金曜に向かって短くなる傾向がみられるようです。休憩の実感と業務の影響について、「休めていない実感」がある人は18.7%で、特に中間管理職(22.0%)に多い結果でした。また、休憩時間が長いほど、休憩後は「業務に集中して取り組める」が高く、休憩で「休めている実感」のある人は、業務の集中力やパフォーマンスが向上するようです。休憩時間が長いほどプレゼンティズム(出勤しているが生産性が低下する状態)の発生率が低下するようです。



休憩で休めている実感のある人は、「取得する際に、上司や同僚は快く承認してくれ(65.0%)」、「直属の上司や同僚が積極的に休憩を取得している(49.9%)」といった職場のピア効果が見られたようです。休憩の過ごし方と効果について、6タイプに分類されており、それぞれの影響が異なります。 1.不本意タイプ(仕事を継続・強制的な休憩)→ 効果が低い。 2.自己投資タイプ(運動・自己啓発)→ 「休めている実感」55.0%、プレゼンティズム低い 3.エンターテイメント没頭タイプ(音楽・スマホゲーム)→ 「休めている実感」49.0%、集中度向上 4.交流タイプ(同僚・上司との会話や食事)→ プレゼンティズム低、疲労軽減 5.仮眠タイプ(仮眠・瞑想)→ プレゼンティズムが最も高い(22.0%) 6.ひとり時間タイプ(飲食・趣味)→ 比較的良好な休憩効果。休めている実感の割合が高いのはNO2「自己投資タイプ」とNO3「エンターテインメント没頭タイプ」の順でした。


調査結果から企業が取り組む施策として、上司や同僚が率先して休憩を取り、従業員が気兼ねなく休める職場文化を形成します。また、休憩の取得を積極的に推奨する社内キャンペーンや方針の策定など考えられます。「交流する休憩」や「エンターテイメントに没頭する休憩」など、多様な休憩スタイルを選べる環境を整備する、休憩室やリラクゼーションスペースの充実(カフェスペース、フィットネスエリア、ゆっくりチェアなど)も働く人にはうれしいと思います。週末に向けて休憩時間が短くなる傾向があるため、金曜日の午後に意識的な小休憩を推奨します。「短時間の集中+適切な休憩」のサイクル(例:ポモドーロ・テクニック)を導入など休憩パターンの調整も効果があると思います。企業は「休憩の気づきを高める文化づくり」「多様な休憩スタイルを支援する環境整備」「休憩パターンの改善」に取り組むことで、持続的な労働生産性の向上が期待できると思います。