効果的なチームミーティングの進め方
チームミーティングの最終的なねらいは、「決める」ことではなく、「実行すること」「成果を上げること」ことです。会議と同じような意味で使われることも多いようですが、厳密には意味が異なります。会議は、議題や目的が明確に決まっている事柄に対する意思決定のために行います。チームミーティングは、様々な課題にたいして管理職を含む一般社員が、それぞれの意見を述べ合いながら原因を探り解決に至る打ち手を考え実行していきます。チームの目標を定め目標を達成するために、現状とあるべき姿のギャップを埋めるための具体策とその解決行動を決めていきます。チームの目標は、企業理念や企業ビジョンに基づいて決められます。対話型ミーティングは、過去の経験をベースとした変革ではなく、未来を見据えた変革を組織に起こすため、直観的・感性的なアイディアを形にするための場になります。
これからの時代は、社長や経営者が社員を「管理(マネジメント)」して仕事を行っていく時代から、社員同士が相互に影響を与えながら新しい価値を共創していく時代へ変わってきます。しかし、この新しい価値を共創していく組織に変革するためには、組織のシステムを変えていく以外にも重要なことがあり、それは、個々人の意識の持ち方です。ミーティングでは、「ダウンローディング」な会話と「観る(シーイング)」の会話の理解が必要です。一般的に会議では意識の矛先が過去の枠組みに縛られた雑念に向いていることが多いようです。上司は自分の中にある「また、いつもの言い訳か」というフィルターを通して部下を見ていますし、部下は部下で「どうせ話を聞いてくれない」というフィルターを通して上司を見ています。ダウンローディングとは自分の中の経験によって培われた「過去をもとにした枠組み」に注目してしまっている状態です。
対して「観る(シーイング)」の会話とは、自分の中の枠組みに意識を奪われず、自分の外側で起こる事象に対して注目する状態のことで、この状態は集中状態です。目の前の事象に関することのみに集中しているため、討論や議論等を行う場合白熱します。しかし、課題自体が複雑な場合、解決には至らず、その結果、ダウンローディングに立ち戻ってしまう可能性もあります。白熱した討論や議論のなかで、発言者の意図する意味や感情を感じ取ろうとする「視座の転換」状況が過去の枠組みにとらわれずに目の前の事柄に取り組めるようになります。かつ今までになかった思考や直観を発見できるようになります。目の前の事柄に集中した状態で新たな思考に結びつけていける状態です。今までの枠組みから外れているため、自分自身に混乱が生じる場合がありますが、新しい思考を身に着けることにつながる段階です。
その次は、いままで自分の枠組み(部分的)に向いていた関心が、全体へと向き始める状態になります。今までは、個人の内側での変化でしたが、この段階では他の人を巻き込んでいくことができます。つまり、自分とその他(他人・組織・状況)が共鳴する段階です。組織やチームに一体感をもたらす、または過去の事例にとらわれない新たなアイディアが出るなど様々な現象が出てきます。このようなチームミーティングの進行を務めるファシリテーターが対話型リーダーです。問題の発見力、課題解決力、コミュニメーション力が身についてきます。次の段階がかすかなアイディアを具体化しくことですが、焦らずの目標と照らし合わせながら「観る(シーイング)」の会話から「共鳴する」までを繰り返すことが次につながります。