テレワークによる生活・健康・業務生産性・満足度は好影響
新型コロナの感染拡大によって一気に普及したテレワークですが、日本生産性本部の「第13回 働く人の意識調査」(2023.08.07)によれば、その実施率は前回の16.8%から15.5%に減少し、過去最低となっています。中でもこれまでテレワークを牽引していた従業員1,001名以上の勤め先で前回の34.0%から22.7%に急減したことが大きく、全体の実施率低下を促進する結果となりました。大企業での新しい働き方として定着したと考えていましたが、実際はそうではなかったいう今回の調査でした。しかし、従業員の86.4%が今後もテレワークを行いたいという回答をしています。
日本生産性本部は、同日に「テレワークに関する意識調査」の結果も公表しています。その中では、従業員(テレワーカー)と管理職ともにテレワークでの仕事や働き方の8割近い人が満足している結果になっています。詳しく見てみると、テレワークによって生活面が良くなったとする従業員(42.1%)管理職(46.0%)、精神面での健康が良くなった従業員(40.9%)、管理職(41.9%)となりました。仕事を効率の変化では、自身の仕事効率が上がった従業員(36.6%)、管理職(37.9%)という結果でした。テレワークという働き方に満足している従業員(82.1%)管理職(78.1%)、マイナスだとする否定的な意見もありますが、肯定的な意見が多かったようです。
「働く人の意識調査」では、現在の景気について「悪い」「やや悪い」の合計が、前回1月の調査76.1%から54.6%へと減少しています。今後についての意識は、「悪くなる」「やや悪くなる」の合計が前回の50.6%から39.1%に減少しています。新型コロナへの感染不安は、「不安」「やや不安」の合計が50.9%と若年層を中心に不安が払しょくされつつあり、調査開始以来最少を記録しています。自身の雇用不安は「まったく感じない」「どちらかというと感じない」の合計が前回の76.1%から54.6%へ減少しています。
新型コロナが5類に移行されたことで経済活動も活発になりつつある中、人手不足による求人も多いので将来の雇用不安も払しょくされつつあるようです。キャリアプランの有無についての質問では描いていない人、特に考えていない人が増えています。働く人の能力については、AI等の進歩による産業革命の進捗で2極化するであるうことは言われていました。テレワークをBCP視点ではなく新たな働き方として、人財活用のポートフォリオも将来ビジョンから検討の必要がありそうです。