組織の未来をつくるコラム

生産性を上げる時間管理術

不確実な時代には現状と未来を考える時間が必要ですが、「時間がない」「忙しい」「そんな時間はない」など、言い訳をしている人が少なくないのではないでしょうか。時間を考えるときに大事なのは、生産的な仕事、未来につながるようなことに時間を投資することです。今自分はどのように時間を使っているのかを考えることは大事です。1日に使える時間は、忙しい人も暇な人も24時間です。時間だけは替えの利かない資源で、生産的な仕事、成果を上げることができる人は常にこのことを意識しています。そして、「自分の持っている時間のなかで、生産的な仕事、成果を最大化するためにはどうするべきか」を考えます。


限りある時間で成果を最大化するために、私たちは何をすればよいのでしょうか。まずは、こま切れの時間を大きなかたまりにするということです。生産的、成果につながる仕事をするためには、例えば企画書ひとつ集中できるまとまった時間が必要になります。大きなかたまりの時間を作るためには、時間を浪費している「ムダな活動」を見つけること、スケジュール管理が得意な人でも、案外、無意識に時間を浪費してしまっていることが良くあります。自分がどのように時間を使っているか?例えば30分単位、リアルタイムで3~4週間、記録していくと見えていなかった「ムダな活動」が見えてきます。そのようにして、生産性・成果を上げる時間をつくります。



個人レベルで「むだな活動」を整理してもどうにもならない課題にぶつかるとしたら、組織の構造が原因になっているのかもしれません。組織の構造がムダな活動を見極めるポイントが4つあります。①ムダが生まれやすいシステムになっていないかどうか ②人が多すぎないかどうか ③会議がおおすぎないかどうか ④情報が適切に伝わっているかどうか。です。①のシステムとは決まった手順やルーティンのことです。同じようなミス、トラブルを繰り返すようであれば見直しが必要です。②は、人手不足は問題視しますが、多いと人間関係を複雑にし、意思決定、調整に時間がかかります。


③は、必要以上に仕事が細分化されている、責任が分散されている可能性があります。④は、情報が適切なタイミングで適切な人に届かないことが、大きな時間の浪費につながります。生産的な仕事、成果につながる仕事をするためには、日常的に時間をコントロールできるようにしなければなりません。今、自分は何を目的として時間を使っているのかを意識しムダを取り除く努力が必要です。弊事務所では、お客様の人事システムの一環として就業規則に時間の使い方のルールを設けるようにしています。働き方のルールとしての時間を、現在の成果、将来の成果、投資、整理と区分することでより明確になります。