組織の未来をつくるコラム

ワーク・シフト(孤独と貧困から自由になる働き方)

このコラムのタイトルは、2012年初版の世界的なベストセラーです。著者はロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏です。2017年9月11日の「人づくり革命」の具体策を検討するべく設置された「人生100年時代構想会議」には、13名の有識者メンバーのうちの1人としてリンダ・グラットン氏が招聘されています。2025年の働き方がどう変わるかを見据えて書かれた本ですが、その未来予想は怖いくらいピタリと当てはまっています。近年、若者を中心に話題になっている本です。本書ではその劇的な変化の要因を「未来を形作る五つの要因」として以下のようにまとめて説明しています。

 要因1:テクノロジーの進化
 要因2:グローバル化の進展
 要因3:人口構成の変化と長寿化、
 要因4:社会の変化
 要因5 :  エネルギー・環境問題の深刻化

五つの要因は、どれも我々を明るい未来に導く要因にもなれば、暗い未来に導く要因にもなり得ます。



テクノロジーの進化とグローバル化の進展がもたらす側面では、過剰に仕事の効率化が求められ、遊びや創造性を発揮するゆとりが縮小します。それは本業以外に高度な専門技能を身につける機会を失うことに直結し、柔軟なキャリアプランの形成を阻害します。すでに今その傾向がどんどん加速し、今の仕事に追われる毎日を実感している人が多いような気がします。5つの変化の要因は、明るい未来を引き寄せる要因にもなり得る鍵です。そのためには働き方を転換すること、つまり、以下の「3つのワーク・シフト」への転換なのです。

第1のシフトは、広く深い専門性を身につけること。                
第2のシフトは、様々な人的ネットワークを築くこと。               
第3のシフトは、経済的な充実ではなく、趣味や社会貢献などで心を充実せること

企業として、このワーク・シフトを後押しできるようなシステム構築を企業の責務として出来たら素晴らしいです。そんなに難しいことではなく、通勤・働く時間が8時間、個人の自由な時間8時間、睡眠時間8時間で可能です。